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沖縄県版レッドデータブックの作成

●目的
 

 沖縄県においては、亜熱帯海洋性のもとでイリオモテヤマネコ、ノグチゲラ、ヤンバルクイナなどの数多くの固有種を含む野生生物が生育・生息しており、学術的にも評価の高い地域として国内外から注目されている。一方、各種開発に伴う森林伐採や土地改変等による自然環境の改変や移入動植物による撹乱等もあいまって野生生物の生息状況は深刻な状況になりつつある。
 このような状況を踏まえ、沖縄の野生生物相の現状を把握し、代々引き継いできた野生生物及びその生育・生息地を次世代に引き継ぐための保護対策を講ずる基礎資料として、沖縄県版レッドデータブックの作成を行うこととなった。


●内容

沖縄県に生息・生息する野生生物から 「沖縄県版レッドデータブック」 の掲載種の選定を行った。基本方針として、以下の3点を基本とした。

 
1)

環境庁版レッドデータブック等における概念を踏まえつつ、沖縄県の地域性、独自性にも配慮する。

 
2)

環境庁版レッドデータブック等にあげられていない沖縄県独自の種をリストアップする。

 

3)

現在の文献・資料ではレッドデータブックに掲載してよいのか判断がつかない種及び今後詳細な調査を要する種については、未決定種としてリストアップする。

 作業を進めるにあたり、「沖縄県版レッドデータブック検討委員会」 を設置して検討を行った。検討委員会は動物部門と植物部門に分かれ、動物部門には委員長を筆頭に11名、植物部門は委員長を筆頭に8名、両委員長含めて合計19名で構成した。
 このほかにリストアップや記載内容のとりまとめ作業を行うワーキンググループを設置し、これには各検討委員の方が責任者となって作業を行った。ワーキンググループは動物部門で9グループ、植物部門で4グループ合計50名で構成され、各専門員がリストアップ作業と生育・生息状況の解説等を担当した。
 ワーキンググループの作業結果を検討委員会で検討し、「沖縄県版レッドデータブック」 の掲載種を選定した。


●意義
 

 沖縄県版レッドデータブックは、絶滅の危機に瀕する野生生物の保護を行うための基礎資料として重要な意義があるが、それを含めて以下に示す4点についてふれたい。

1)自然環境保護のための指針として

 近年、県内では各種開発に伴う森林伐採や土地改変などにより、自然環境が悪化しつつある。そのことから野生生物及びその生育・生息地を次世代に引継ぐためには、沖縄県版レッドデータブックを踏まえた指針等を作成しなければならない。

2) 沖縄県の貴重な文化財として

 自然及び文化のなりたちには、各地域によって独自の歩みを続けているものである。この自然や文化を保護し探求していくことは、地域文化を守り育てるうえで大変有意義である。特に天然記念物の指定を受け保護されている種の生育・生息の状況を知るうえで重要な資料となる。

3) 遺伝的多様性の保護として (遺伝子資源の重要性)

 特に植物の場合であるが、バイオテクノロジーの進歩によって、遺伝子組み替え技術を応用した育種開発が進み、全ての野生種が利用可能な遺伝子として、資源として重要な価値を持つことになった。  このことから野生種の遺伝的多様性の保全は重要なテーマであり、沖縄県版レッドデータブックはその基礎的な役割を果たすものである。

4) 教育教材及び研究資料として

 

 野生生物は、生物学の教育及び研究を行う上で欠かすことのできないもであり、野生生物に関する情報を集積した沖縄県版レッドデータブックは、これらの情報・教材として、重要な役割を果たすものである。


●沖縄県版レッドデータブックの構成内容

 沖縄県版レッドデータブックは、植物編と動物編で構成し、それぞれ掲載種を選定した。この掲載種については未決定種を除きすべて説明を加えた。さらに掲載種については、沖縄県版レッドデータブックと環境庁版レッドデータブック等とのカテゴリー対照表を載せた。ただし、植物編は、蘚苔類・藻類・菌類については、現在のところ環境庁版レッドデータブック等で取りあげたものがないため、今回は載せなかった。
 なお、記載内容については、植物と動物では生態の状況、文献や資料の内容などに違いがあるため、植物編と動物編では若干相違がある。また、植物と動物の掲載種のとりあげ方・捉え方にも相違がでてきた。特に、未決定種の定義・考え方については、植物編と動物編で違いがあるので留意していただきたい。
 なお、植物編と動物編は別冊で発行する予定であったが、検討委員会で議論した結果、利便性の面から合本にすることで決定した。



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