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福里永子 『グリーン・ツーリズム農漁家の育成』

(福里)
 皆さん、こんにちは。中部農業改良普及センターの福里と申します。よろしくお願いいたします。
 平田さんの講話、そしてまた実践されてきました農家の皆さんの活動、それからまた市町村の地域との地域ぐるみによります連携などのお話を聞きまして、大変感動しております。
 私たちの中部の地域では、実践農家の方々から提案が出されまして、これから研究会をつくろうという話になっておりまして、まだ準備を進めていく段階です。それでまた皆さんのこの活動などを参考にしながらやっていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 きょうは、中部農業改良普及センターにおけるグリーンツーリズムの取り組みについて、ということでお話しさせていただきたいと思います。資料の17ページのほうを参考に、よろしくお願いいたします。
 平成13年度に、県の営農推進課のほうでグリーンツーリズム実践者を養成していこうということで事業が仕組まれまして、営農推進課主催の講座と各普及センターの主催による講座が行われました。
 グリーンツーリズムを推進してきたわけなんですけれども、ツーリズムの推進の目的は二つありまして、一つは農家や漁家の皆さんが農業、漁業を主体にしながら、そのグリーンツーリズムを取り入れて多角化経営ということで農家所得、漁家所得を向上させていくという目的と、また、その体験交流などによりまして、農林水産業や農漁村への理解を深めていく。それによって、地域を活性化させるという目的で推進してまいりました。
 取り組みの経過についてなんですけれども、ほかの普及センターでも同じようなことが行われてきたと思うんですけれども、まず開業に向けての個々の農家の夢プランというのを作成してもらいましたけれども、その作成の支援、また具体的な実践プランの作成、そしてその実践プランに沿って、グリーンツーリズムのモニターツアーということで試行検討を重ねてきました。
 それから、地区のグリーンツーリズムのマップを作成したり、また個別のPRチラシを作成したりということで、実践農漁家のPRに努めてまいりました。また、受入態勢を向上させるということで、受け入れについての心得だとか安全対策、保健衛生指導などを講座の中に取り入れて行ってまいりました。
 これらの取り組みにつきましては、関係市町村、関係機関の皆様方、また地域の専門家の皆さん、実践農家の皆さん、専技、所内の職員の協力と連携のもとに推進してくることができました。また、これからもお互いに連携をとりながら進めていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 また、所内のほうでは、普及指導計画という中で重点に位置づけまして計画的に活動してまいりました。それから中部のほうでは、ことしは事業も最後であるということがありまして、今後どのように実践農家の皆さんに支援をしていったらいいだろうかということで、関係市町村の皆さんや、また実践農家、志向農家の皆さんと意見交流会を何度か持ちました。
 中部の現在の状況なんですけれども、お手元に「中部のグリーンツーリズムマップ」という、このような資料が入っていると思うんですが、そちらの中を開いていただきまして、それもまた参考にちょっとお話を聞いていただきたいと思います。
 今このように中部のほうでは、14カ所の農家の皆さんが開業しております。この中で特に特徴的なものなんですけれども、8番の農家民宿うえだ。きょうパネラーになっております上田さんのほうからもお話がありましたけれども、彼女のところはタバコとパパイヤのほうを中心にやっておりますので、あくまでもこの農業を主体にしまして、農家民宿のほうは農閑期にということで、7月〜10月に限定してということで開業しております。
 それから、1番の紅加工所のほうなんですけれども、仲渠村さんのところなんですが、こちらのほうは地域のほうに読谷ガイド風の会とありますけれども、そちらのほうとうまく連携をとりまして、修学旅行生を受け入れております。一度訪れた方からすごい人気で、リピーターが多いところです。
 また、最近、この読谷ガイドの比嘉さんとの関係で、修学旅行生の民泊受け入れの話がありました。ことしの5月に30件、中部のほうで受け入れてほしいと、急ぎでということでお話があったんですけれども、実践農家のメンバーに声をかけましたところ、勝連町の津堅島や読谷村、与那城町、北中城村の農家の方が意欲的にぜひ受け入れたいということで、すごく今盛り上がっている状況です。
 それから、3番のあやめ加工所なんですけれども、こちらのほうは地域の子供会とか学校関係と結構連携して、そういう関係の体験受け入れをよくやっております。
 このように、今、農村の自然やふれあいを求めて食農教育や総合学習の観点から、今、修学旅行生や子供達の体験の需要が高まっているという状況です。これは多分、ほかの地域でも同じではないかなと思います。
 それから、15番の北中城の大城集落なんですけれども、こちらのほうでは以前から自主的に環境美化に取り組んでいる、花咲爺の会とありますけれども、そちらのほうが中心になりまして、ムーンライトコンサートなどの開催ということで、都市農村交流を積極的に行っております。
 これらの活動を通して、訪れる人々ももちろん喜ぶんですけれども、また地域住民自らが地域のよさを自覚しまして、地域に誇りを持つようになったということです。
 このように、実践者の皆さんがこのグリーンツーリズムを通して生き生きとしてきましたし、また自分がそれを実践することによって相手にも伝えるんだけど、自分も地域や農業のよさを再認識できたということになっております。
 それから、先ほどもお話ししましたけれども、実践農家のほうから、今後もこういうメンバーでネットワークをつないで、今後もこのツーリズムについての勉強会をもっていきたいということで、グリーンツーリズム研究会発足の提案がありまして、これから準備を進めることになっております。
 ほかの地区では、既にこの研究会を立ち上げたところ、また協議会を発足しているところもありますので、また意見交換の中でアドバイスがもらえたらと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それから、中部のほうで先ほど市町村と今後どのように実践農家の方々に支援をしていったほうがいいだろうかということで検討会を持ったということをお話ししましたけれども、その検討会で出た話の内容をちょっとお話ししたいと思います。
 中部の場合は、先ほど北部のほうでは協議会とかもできているようなんですけれども、中部の市町村の場合は、今このグリーンツーリズムの窓口を置いたり協議会を発足させることは、人員不足等で難しい状況にあるということでした。しかしながら、実践農家の方が主体的に活動するのであれば、市町村が農家のPRなど支援することは可能であるし、また市町村のほうでホームページも開設しておりますので、意欲、意向があれば載せていきたいということでした。
 また、これまでどこの市町村でどういう農家が開業しているかを市町村も知らなかったんですけれども、こういう会合を重ねることによって、お互いに開業農家の情報も知ってきたのでそれを地区の市町村が共有して、ほかから問い合わせなどがあった場合にはお互いに紹介するようにしましょうことになるようになりました。
 また、態勢づくりなどで先進事例の現地検討会をしたりとか、その他グリーンツーリズムに関する勉強会は、関係機関でも今後ももっていきたいというお話がありました。
 最後に、残された問題点と今後の課題ということでちょっとまとめてみましたけれども、地区のほうで今グリーンツーリズム研究会を立ち上げようという話が出ておりまして、準備委員のほうも4、5名ほど決まっております。準備委員のほうで案を作成しまして、それから会員募集をしていきたいと思っております。
 それから、このグリーンツーズム研究会に関しては、やはり自分達で自主的運営のできるグリーンツーリズム研究会にしたいということで、次年度はその運営についての支援をセンターのほうはやっていきたいと考えております。
 それから、受入態勢の向上ということで、これは実践農家も、またことしから始めた志向農家の方もいらっしゃるんですけれども、より資質を向上させるということで、企画運営や衛生的で安全な施設だとか景観づくりなどを取り上げて支援していきたいと思っております。
 また、マップやチラシでのPR、市町村のホームページの活用などもしてPRもしていきたいと思っております。
 それから、グリーンツーリズム研究会の会員のシンボルマークについてという、実践農家の方からの意見がありましたので、それもまた募集して作成できればと思っております。
 それから、次の民泊受入地域の態勢づくりと書いてありますけれども、これは今度読谷ガイドさんから民泊受け入れの話があったときに、勝連町の津堅のほうが、区長さん挙げて地域ぐるみで取り組んでいきたいということで、14戸の受入農家が出てきたんですね。それで、その受入農家と区・役場と連携をとって、今後もずっと受け入れが続くようにということで態勢づくりをやっていきたいと考えております。
 それから、グリーンツーリズム研究会の地域、関係機関との連携。それから各地区のグリーンツーリズム研究会、県のグリーンツーリズム研究会やまち村交流推進班との連携をもっていきたいと思っております。
 まち村交流推進班への提案なんですけれども、地区のグリーンツーリズムシンボルマークもつくるんですけれども、できたらまた県のグリーンツーリズムシンボルマークもあってほしいなということと、あとはグリーンツーリズムを開業している農家へシンボルマーク以外に、ここの農家だったら大丈夫ですよということで認証マークを与えられるような、これは農家からの意見として出されてたんですけれども、そういうのがあればなと考えております。
 それから開業農家のPR、それから県と市町村とグリーンツーリズム研究会、関係機関が何かネットワークを結んで、受入態勢づくりができないものかと考えておりますけれども、また皆さんのご意見をよろしくお願いいたします。
(拍 手)

(本村)
 こういうジョイント役の場合は、パイプ役の場合、非常に大変で、市町村に対してはこういうことをやってきましょうね、じゃ、そういうことだったら実践者の、あるいはこれからやろうという方々にこう指導していきましょうと、いろいろ行ったり来たりして大変難しい部分があるんですけれども、中部普及センターの福里さんが代表して発表していただきました。どうもありがとうございました。


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