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平良研三『体験を基調としたグリーンツーリズムの発信を考える』

(平良)
 下地町役場の平良です。座って説明いたします。
 1番目に、活動する動機とこれまでの経緯なんですが、私、実は農林水産課のほうで、経営構造対策事業という事業のほうを専任しておりまして、この事業の中で平成13年認定地区の中に農家民宿の整備と総合交流拠点施設をつくろうということで、そのときに初めて「グリーンツーリズム」という言葉を耳にしまして、何であろうかということで、中央のほうにグリーンツーリズムシンポジウムがたまたまありまして、それに参加しまして、自分が思っていたグリーンツーリズムというものはもう観光であると思っていたんですが、参加しまして、下地町は純農村地域なんですけれども、これは本当に農村を守るために最後の施策だなと。大事な施策だなと感じて帰ってきました。
 どんな方法で始めようかと、そのときは考えたんですけれども、当然、私はハードのほうが専門でありまして、ハードあってのソフトという頭の固い考えがどうしてもありまして、ハードがなくてソフトを行うということ自体がちょっと理解できないような、まだ今はちょっとその状況が残っておるんですけど。
 結局、皆さんご存知かどうか知りませんけれども、津嘉山千代さんという、津嘉山荘というのがありまして、結構、県内でも先進的な民宿だということなんですけれども、彼女を支援して新しい施設をつくって、彼女の経営の規模拡大を図ろうとしたんですけれども、彼女の事業を中止しました。
 それはシンポジウムに行って、彼女のよさは、単純に言いますと、仮に事業を入れてしまうと彼女の経営のよさがなくなるんじゃないかという、すごい自由な適当な場所で、それのためにリピーターの多い場所なんです。これを、仮に行政が手をつけてきれいな施設をつくって、部屋をたくさんつくって、それはいいことなのかと考えまして、ちょっと千代さんと結構やりあいましたけれども、この事業は導入すべきではないということで、中止しました。 
 もう一つ、来間地区で総合交流施設をつくる予定だったんですけれども、これも同じ理由です。彼らは農家ですから、農家が宿泊施設をやるためには、行政がつくって大きな投資をしてやるのはどんなものかと。それで、この施設も15年度の予定でしたけれども、県には別の理由をつけましたけれども、別の理由でちょっと中止させていただきました。
 結局、いろいろな場所、いろいろなところで聞いたこと、それは、当然投資も必要であるけれども、それが多大な投資であってはいけないということで、ちょっと話それておりますけれども、そういうことで。
 今は、まず自分らが、下地町がやるべきことは、グリーンツーリズムを発信すべきであると。ただし、宿泊を基調としたグリーンツーリズムの発信ではなくて、体験のほうを、地域にある民宿、津嘉山荘を含めて近くにリゾート施設がありまして、そのときに学生、中学生、高校生も来ますので、その方々に体験させるメニューづくりのほうからまとめていこうというのが、今、自分の考えです。というか、下地町の考えです。
 2番目の、活動の概要と現況なんですけれども、今言いましたとおり、体験メニューのほうを整備しようと。そのために地域連携システム事業を導入しております。
 今、実践している活動、情報を発信している事例に入りますけれども、これは今行政、我々が手をつけたのでなくて、豆の会という団体が独自に15名ほどの団体でグリーンツーリズム研究会を立ち上げております。これは、行政指導しておりません。ただし、支援はしております。私も2、3回お邪魔したんですけれども、やはり体験を基調として発信するのがとりあえずの発信になって、そこから民泊が生まれて広がっていくのではないかというのを期待をしております。
 これから手がけたいことなんですけれども、とりあえず情報発信のための体験メニューの整備です。あと、豆腐づくり、黒糖づくり、いろいろありますけれども、今度実践体験して、これに料金をつけようという試みをしようかなと思っております。
 基本計画の作成。これは、事業導入のために必要だったので書いてあります。
 専門部署。私がグリーンツーリズムを推進したいなと思うことの中で、一番障害になっていること。これは、専任できないということです。どうしても私はハードの担当でありまして、ハードの事業を担当して、ハードの現場というのは1日1日動いております。そうしますと、その専任いただいているのは経営構造対策事業でありまして、あくまでグリーンツーリズムが片手間になってしまうんですが。
 先ほども、自分の信念の中に農業を守るために、農村を守るためにはグリーンツーリズムが必要であるという施策なんです。そうしたら、どうしても専任にしてもらいたいと。集中してこの部署、この仕事を推進していきたいというのが今、自分の考えです。
 4番目なんですけれども、将来はこれは多分自分の考えでは3年から4年先になると考えています。宿泊を基調としたグリーンツーリズム、それを推進していきたいと考えています。
 行政への要望なんですけれども、このグリーンツーリズムというのは、1年で効果発現したり、効果が出る事業ではないと。これは重大な、かなり大事な事業でありまして、どうしても構造をつくり上げるまでには3年、5年かかると思います。今、推進事業は単年度事業です。これは、もう言ったらちょっととり違いしているんじゃないかと思うんですよ。もう少し事業の期間を延長していただいた、新しい事業で構いませんのでやっていただけたらと思います。お願いします。
 市町村の上層部への啓発。「これはどうしましょう」と書いてあるんですけど、これはちょっと考えている最中にメールしてしまって、それがそのままここに来ているんですけれども。
 一応、構想は考えてあるんです。基本的に上層部、どうしてもグリーンツーリズムとは何ぞや、どんなもの、「何だ、これ」というのが今の下地町の上層部でありまして、これは農家も一緒です。
 言ったら、農家が3,000町民のうちの2,800人が「何だ、これ」と言うんですよ。そしたら上層部も「何だ、これ」ということになります。ということは、専任置けないですよね。ですから、今15名、来年30名ぐらいになるでしょう。彼らに上に上げてもらって、上層部を説得していただくと。その中には議員もいますので。
 一番の障害になりそうなのが市町村の合併なんですけれども、10月に合併することになりまして、本当にどうしようかなと思っているところです。以上です。
(拍 手)

(本村)
 どうもありがとうございました。平良さんは、担当としてこれまでは観光だというふうなお考えだったんですけれども、先進地視察を通して考えが大きく変わったというようなことですね。
 それから、この推進役としては専任でないのが悩みであると。また、これからこういうものを継続していくためには、3〜4年のスパンが必要であるというふうなことだと思います。
(本村)
 では、続きまして松本さん、よろしくお願いしたいと思います。

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