おわりに
本委員会は、第1回を4月23日、第2回を6月12日、そして第3回を7月20日に開催、3カ月の限られた期間での検討となった。いかにも厳しい日程ではあったが、政府の沖縄振興策のスケジュールとの関係もあり、現時点での一応の結論として本報告をとりまとめた。
検討にあたっては、沖縄が歩んできた歴史や日米安保体制の下、過重な基地負担を強いられているなどの厳しい現状に鑑み、21世紀への展望を切り拓く産業振興に向けて思い切った施策展開が必要であるとの認識を委員全員が共有してきた。
このため、沖縄側の要望をできる限り組み入れる方向で検討を行い、全県自由貿易地域の創設を目指すなど一国二制度的な手法をも盛り込んだ内容となった。しかし、これには沖縄県民自らが復帰プログラムに幕を引き、自己決定・自己責任の原則に基づき「新しい沖縄の創造」に向けて取り組むことが前提となろう。
ここで提起された施策は今後、沖縄政策協議会を通じて沖縄県と関係省庁が連携し、検討されていくことになろうが、こうした検討のプロセスや結果については適宜県民に開示し、明確に合意形成を図っていくことが、新しく導入される制度を効果あらしめる最良の方法であることはいうまでもない。
いずれにしても沖縄県庁はかつて琉球政府として一国なみの行政組織を有していた等々、諸条件は揃っている。あとは、変化を恐れず、未来への構想力を鍛え上げ、実現に向けて県民の英知と総意を結集することである。
国には、この自由貿易地域制度を中心とした産業振興策をわが国の地域産業政策の先行的な取り組みとして、沖縄において一定の成果を収めることができたならば、地域の実情に応じて全国的に拡大していくことを求めたい。
日本の将来を、沖縄の可能性とともに展望してみたいというのが、本委員会の結論である。
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